KiliMOL Blog

ケニアにおける田植えの機械化促進への取り組みがJICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)の社員提案制度から生まれた「アフリカへの農機輸出事業」を行うKiliMOL株式会社(代表取締役社長:大山幹雄、本社:東京都港区、以下「KiliMOL」、読み:キリモル、註1)が、株式会社唐沢農機サービス(代表取締役:唐澤健之、本社:長野県東御市、以下「唐沢農機」)とともに応募した「ケニア国田植機利用のための育苗技術開発と田植機を活用したビジネス化実証事業」が、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」)の実施する「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択されました(註2)。JICAとの契約開始後約1年間かけて、田植え作業の機械化が遅れているケニアにおいて田植機の普及を目指し、ケニア政府関係省庁とも連携しながら、最適な育苗方法の調査・実証を行い、顧客候補・パートナーの開拓、田植機使用方法のレクチャー等を実施し、田植機を活用したサービス提供などビジネスモデルを検証します。 ケニアでは米の消費が伸び、国内生産量も増加している一方で、未だ消費量の約80%を輸入に頼っていることから、ケニア政府は稲作灌漑地域の拡大を図っています。一方、現在ケニアでは田植えはほぼすべて手作業で行われており、その拡大ペースに人手が追いついていないのが現状です。加えて等間隔でない条間により除草作業が非効率になっており、これらが生産コストの増大に繋がっていることから、田植えの機械化により大きな生産性向上の余地があります。 2022年9月にケニアで実施した田植機のデモンストレーションの様子 KiliMOLは既に中古の乗用式・歩行式田植機を日本から現地に輸出し、唐沢農機と連携しながら現地で技術支援を行っています。本支援事業を通して、現地に合ったやり方で大規模な育苗環境を整備することで、田植機の普及を促進させ、農業の生産性向上、ひいては飢餓や貧困の削減への貢献を目指します。 (註1) 商船三井の2021年4月27日付プレスリリース「越境ECサイトを活用したアフリカへの中古農機輸出事業を開始 ~KiliMOL株式会社を設立~」をご参照下さい。 (註2) JICAの2023年2月20日プレスリリース「2022年度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」:59件の採択を決定」をご参照下さい。 【商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題】商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供-」、「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」にあたる取り組みです。 【KiliMOL株式会社について】 商船三井の社員提案制度から生まれた「越境ECサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業」の運営会社として2021年5月に設立。名前の由来はスワヒリ語で「農業」を意味する”kilimo”+商船三井の略称”MOL”。現在はケニアでの需要開拓に注力しており、商船三井の自動車船や商船三井ロジスティクスの輸送ネットワークを活用の上 農機を輸送し、現地到着後は自社トラックで陸送する。商船三井グループのアフリカ・ケニア拠点での活動を強化することで、アフリカで農機輸出事業に留まらないビジネス領域の拡大を目指す。ウェブサイト:https://kilimol.net/ 【株式会社唐沢農機サービスについて】 農業機械修理業を事業化し1992年に創業。農業機械の販売・修理・再生を主要事業とする一方、ウェブサイト制作、マーケティング、コンサルティングなどを行うインターネット事業を運営。また、全国300軒超の農業機械販売店が加盟し、累計取引額が18億円を超える農業機械のマーケットプレイス「ノウキナビ」を運営。農業×ITによる先駆的農業関連ビジネスを展開している。2021年2月には、八十二銀行、八十二キャピタル株式会社、群馬銀行、SMBCグループを始めとする複数の金融機関から、第三者割当増資、融資契約を含む1.9億円の資金調達を実施、企業成長速度をさらに加速している。株式会社唐沢農機サービスウェブサイト:https://www.karasawanouki.co.jp/農業機械のマーケットプレイス”ノウキナビ”:https://www.noukinavi.com/

TICAD8(第8回アフリカ開発会議)に参加しました

大山が商船三井ケニア国代表としてTICAD8に参加しましたので、商船三井のサービスサイトに寄稿したブログを以下の通りシェアさせていただきます。 ————————————2022年8月27-28日、第8回アフリカ開発会議(以降:TICAD 8)がチュニジアの首都チュニスで開催されました。今回はコロナ禍での開催となったため、当社参加者が肌で感じた前回開催時(TICAD7)との比較を交え現地の様子をご紹介します。 TICAD8とは… Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略称で、英語名称の最初にTokyoと入っている通り、日本政府主導で実施するものですが、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催されています。  1993年に第1回が開催され、5年毎に日本で開催されていましたが、2016年開催のTICAD6以降は3年毎に日本とアフリカにおいて交互に開催しています。(TICAD6:ケニア・ナイロビ、TICAD7:横浜)  TICAD8では「経済」「社会」「平和と安定」の3つの全体会合、ビジネス・フォーラム、第4回野口英世アフリカ賞授賞式が実施されました。全体会合では、アフリカ諸国首脳(アフリカ48か国から20名の首脳級が参加)と開発パートナーとの間のハイレベルな政策対話が実施され、岸田総理大臣はオンラインで参加。林外務大臣(総理特使)がサイード・チュニジア大統領及びサル・セネガル大統領(AU議長)とともに対面参加。閉会式では以下のTICAD8チュニス宣言が出されました(以下参照)。岸田総理大臣が「今後3年間で官民総額300億ドル規模の資金投入」を掲げたことはアフリカビジネスの大きな後押しになると思います。  チュニジアの積極的な対応 出展などの準備の為に、開催の2週間前にチュニスを訪れましたが、街には写真の様な看板が市内に50か所以上掲げられ、TICAD8を盛り上げていこうとするチュニジアの意気込みが感じられました。また、開催時には、主要の政府の車のナンバーはTICAD8用の特別なものに変わっており、関係者輸送用のバスにはラッピングが施されていました。余り効率が良くないと感じられた入国審査もTICAD8参加者のための特別レーンが設けられていました。開催直前までどのような方法で開催なるかわからない状況での、このようなチュニジア政府のご対応に感謝申し上げます。    TICAD8チュニス宣言(概要)はこちらhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100386991.pdf TICAD8チュニス宣言(和文仮訳)はこちらhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100386627.pdf “Show the MOL Flag“ ビジネス・フォーラムが2日間に亘って開催され、日本企業から53社が参加。商社やメーカー、建設会社、金融機関などアフリカで長く事業展開する企業が多いものの、アフリカへ投資するベンチャーキャピタル、新しい技術やビジネスモデルでアフリカ事業を推進しているスタートアップ企業も参加していました。 アフリカ企業からは通信会社や電力会社、金融機関などに加えて、スタートアップ企業など34社が参加。また、アフリカ経済閣僚、開発金融機関、日本の公的機関等からの参加があり、日本とアフリカとのビジネス関係強化を議論。日本企業がアフリカ諸国等との間で締結した92件のMOU署名がなされました。 当社からは、MOL (Europe Africa)、MOL Turkey、MOL Mauritius、MOL Shipping (Kenya)から総勢7名のグローバルメンバーにて参加しました。アフリカビジネスにおけるプレゼンス向上とネットワーク構築のため、”Show the MOL flag“をテーマとして、チュニジア日本商工会議所(Tunisian-Japanese Chamber of Commerce and Industry、TJCCI)主催の展示会にブースを出展したり、TJCCIと共催で当社グループの活動を紹介するセミナー、その後レセプション開催したり、と積極的に活動しました。 8/26(金)のTJCCI主催ブースイベントでは50人くらいの方々が当社ブースに足を運んで下さいました。その中でもロジスティクス関連の問い合わせが多く、改めてアフリカでのロジスティクス需要やビジネスポテンシャルを感じました。また、BBC、CNNと並ぶ国際メディアのTV5 Mondeやチュニジア国営放送のテレビ取材も受けました。   COVID-19の影響による小規模開催によるメリット コロナの影響により、開催直前まで対面開催かオンライン開催か決定されず、日本政府側が対応に苦慮されている様子が感じられました。結果的にハイブリッド開催となり、また、ビジネス・フォーラムへの参加は各社2名までという制限が課されたため、日本企業約100名(スタートアップ約10名を含む)、アフリカ企業約100名(チュニジアからの約30名含む)、アフリカ経済閣僚、開発金融機関、日本の公的機関等の計約300名の参加にとどまり、1万人が参加したと言われる前回の横浜開催のTICAD7と比べると非常に小規模なものとなりました。 しかし、TICAD8への参加者が少なかったことで、逆にハイレベルな政府関係者にお会いできたり、参加者の方々とゆっくりお話ができたりと良い面もありました。 様々な国の関係者とお会いする中で感じたのは、国により日本企業の進出度合いは大きく異なるということです。日本企業の進出が少ない国の政府高官からはぜひ日本企業にもっと進出してもらいたいという強い想いを聞くことができました。また、日本製品への評価や日本との繋がりは国に寄って大きく異なるため、一概には言えませんが日本製品や日本人へ好印象を持ってくれているアフリカの方々は多いと感じました。 今回、TICAD8参加を通して当社のターゲット分野に関わる現地企業の方々や、当社がまだ活動をしていない国で活動されている企業やアフリカのハイレベルな政府関係の方々と出会い、ネットワークを構築できたことは、今後の当社の事業活動にとって貴重な財産となると思います。 【マスク事情】現地でのコロナへの意識は日本とは大きく異なり、マスクをしている人はかなり限られており、現地メディアが日本人のマスク集団の写真を取り上げ、現地での違和感を報道していたほどでした。 【言語】今回の開催地であるチュニジアは地中海に面する北アフリカ、そしてアラビア語が公用語で、フランス語が国民の間で広く用いられています。英語が通じず、改めてアフリカで広く活動する上ではフランス語が重要と感じました。今回当社からの参加者7名のうち3名はフランス語話者であった為、宿泊地や道中の移動の際も問題なく過ごすことができました。 船で物を運ぶ➡海運業を中心とした社会インフラ企業グループへ 当社グループの活動を紹介するセミナーには100名程度、その後のレセプションには200名以上が参加してくれました。セミナー参加者からは「商船三井はこれまで船で物を運ぶ会社だと思っていたが、脱炭素分野など船以外の分野で様々な新規取り組みをしていることを知った。」という声も聞かれ、改めて新規取り組みの発信の重要性を感じました。 アフリカは中位年齢が約20歳と若く(日本は48.6歳!)、人口は現在の13億人から2030年には25億人となり地球上の4人に一人がアフリカ人になると予想されています。生産年齢人口の割合が高く消費需要も着実に増えていきます。当社が世界でビジネス展開を続ける上では、「最後のフロンティア」で事業を広げることは必須とも言えます。 当社は、2019年に横浜で開催されたTICAD7で初めて参加しました。当時は、アフリカ大陸に当社駐在員もおらず、会社としてではなく、トルコのカラデニス社と共同で、発電船事業の紹介に絞った展示・セミナーを行いました。企業として出展していた日本企業のブース会場の賑わいとは違い、訪問者も決して多いとは言えないレベルでした。それでも、TICADに参加していたトルコ企業2社とアフリカ関連でMOU締結することができるなどTICADの重要性を感じることができ、次回は、商船三井として、TICAD8に参画すると言う強い決意を持ちました。それから、今回のTICAD8までに当社のアフリカ拠点は3つに増え、上記の通り、商船三井としての参画が実現し、イベントも主催することができました。少しずつステップアップしていますが、これからもっとスピードを上げ、TICAD9の3年後にはアフリカビジネスの代表企業グループの1社となれるよう、仲間と一丸となりたくさんのチャレンジを行っていきたいと思います。 当社グループも、アフリカと「共に成長するパートナー」として、アフリカ自身が目指す強靱で持続可能なアフリカを実現していくため、力強く後押ししていきます。 最後に、チュニジアの皆さんへの感謝をお伝えしたいと思います。TICADがチュニジアで開催されなかったら、訪れる時期はもっと遅くなっていたかもしれませんでした。しかし、TICADの準備の為、今年2月に初めてチュニスを訪問した際に、在チュニジア日本大使館を訪問、清水大使(当時)と面談をさせて頂き、多くの方々とお会いすることができました。特に、小室様を初めとするチュニジア日本商工会(TJCCI)とのご縁は大きく、チュニジアには拠点を持たない当社が、出展したり、大々的なディナーを行えたことは、ひとえにTJCCIのサポートがあってのことだったと感謝する次第です。また、在日本チュニジア大使館のモハメッド・エルーミ大使にも、大変お世話になりました。TICAD直前の日本帰国時の数日、直前のアポイントにも拘わらず、お時間を頂き、今回の出展などの件に関して、ご報告に伺いました。面談に際しては、物流や海運案件など様々な意見交換ができました。そのようなご縁もあり、日本側からは林外相も参加されたチュニジア政府主催のカクテルパーティーにもご招待頂きました。パーティー会場にて、エルーミ大使自ら、ナジュラー・ブーデン首相やサミル・サイード経済計画大臣をご紹介頂きました。今後、チュニジアで事業が行える様に努力して行きたいと思います。この場を借りて、御礼を申し上げます。 (左から、Mr.Damien […]

KiliMOL、ケニア共和国での田植えの機械化プロジェクトでケニア西部にてデモンストレーションを実施

KiliMOL株式会社(代表取締役社長:大山幹雄、本社:東京都港区、以下「KiliMOL」、読み:キリモル)と株式会社唐沢農機サービス(代表取締役社長:唐澤健之、本社:長野県東御市、以下「唐沢農機」)は、日本製農機および日本の農業技術をアフリカのケニア共和国に輸出するプロジェクトにおいて、ケニア西部のアヘロ灌漑地区にてデモンストレーションを実施しました。 (KiliMOLスタッフが田植えの実演を行う様子)   ▼ケニアの田植えはすべて「手作業」 ケニアの稲作は、稲刈り・精米などの工程で機械化が進みつつありますが、田植えにおいてはいまだに手作業です。田植えのための労働力の確保や人件費など、稲作の中でも特に手間と費用がかかる工程になっています。ケニアに限らずアフリカの人口は今後も増加傾向であり、2050年までに25億人程度まで増える見込みです。食料需給の観点からも農業の機械化ニーズは強いと言えるでしょう。   ▼機械だけでなく「技術」も輸出 田植機を使った田植えには「苗箱に育苗された稲苗(とうびょう)」が必要になります。つまり、“育苗技術” がなければ、機械化は実現されません。日本では様々な種類の育苗用の土が販売されていますが、ケニアでは箱苗に適した土は販売されていないため、土を作るところから始める必要があります。土づくりから播種後の水やりなどの管理を現地の状況に合わせて行うことで、前回に続き育苗を成功させることができ、日本の育苗技術がケニアでも通用することがわかりました。   ▼田植え機の有効性 従来の手作業の場合、1acre(エーカー)の田植えを行うのに16人体制で約7時間かかりますが、今回のデモンストレーションでは田植え機3機を使い、それぞれ3人体制で技術指導も行いながら3時間で作業が完了し、約76%作業時間を削減することができました。ケニアでの田植え機の有効性は現地でも注目されており、実際に田植え機を使用した人や計31名のデモンストレーション参加者からは、歩きながら田植えができる使いやすさや性能の高さに感銘を受けたという声が聞かれました。 今後は、手作業で行った場合との成長具合・収穫量などの比較も行いながら、さらに田植え機の普及を促進していきます。   (左:種をまいた直後、中央:発芽した様子、右:12~13cmに成長した苗) (左:KiliMOLスタッフが参加者に田植え機への苗の共有方法を説明している様子、 右:田植え後の田んぼの様子)   (日本から輸出した田植え機)      【商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題】商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」にあたる取り組みです。   【株式会社唐沢農機サービスについて】農業機械修理業を事業化し1992年に創業。農業機械の販売・修理・再生を主要事業とする一方、ウェブサイト制作、マーケティング、コンサルティングなどを行うインターネット事業を運営。また、全国300軒超の農業機械販売店が加盟し、累計取引額が18億円を超える農業機械のマーケットプレイス「ノウキナビ」を運営。農業×ITによる先駆的農業関連ビジネスを展開している。2021年2月には、八十二銀行、八十二キャピタル株式会社、群馬銀行、SMBCグループを始めとする複数の金融機関から、第三者割当増資、融資契約を含む1.9億円の資金調達を実施、企業成長速度をさらに加速している。 ・商号     :株式会社唐沢農機サービス・代表取締役社長:唐澤 健之・本社住所   :〒389-0502 長野県東御市鞍掛846-1・事業内容   :農業機械のマーケットプレイス“ノウキナビ”事業         対面での農業機械販売・修理・レンタル事業         ウェブサイト制作/ウェブコンサルティング事業・株式会社唐沢農機サービスウェブサイト    :https://www.karasawanouki.co.jp/・農業機械のマーケットプレイス ”ノウキナビ” :https://www.noukinavi.com/    【KiliMOL株式会社について】  商船三井の社員提案制度から生まれた「越境ECサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業」の運営会社として2021年5月に設立。名前の由来はスワヒリ語で「農業」を意味する“kilimo”+商船三井の略称“MOL”。現在はケニアへの需要開拓に注力しており、商船三井の自動車船を活用の上 農機を輸送し、現地到着後は自社トラックで陸送する。商船三井グループのアフリカ・ケニア拠点での活動を強化することで、アフリカで農機輸出事業に留まらないビジネス領域の拡大を目指す。 ・商号         :KiliMOL株式会社・代表取締役社長:大山 幹雄・本社住所     :〒105-8688 東京都港区虎ノ門2-1-1・事業内容     :越境Eコマースサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業・ウェブサイト : https://kilimol.net/   <本プレスリリースに関するお問い合わせ先>  KiliMOL株式会社 担当:大山 幹雄 E-mail: kilimol@molgroup.com / TEL: 070-7499-2349

商船三井と唐沢農機が農林水産省補助事業「令和4年度アフリカ等の企業コンソーシアムによるフードバリューチェーン構築実証事業」に採択

2022年07月13日 株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)が株式会社唐沢農機サービス(代表取締役:唐澤健之、本社:長野県東御市、以下「唐沢農機」)との企業コンソーシアム(共同事業体)で提案したケニアでの小規模精米所ビジネスの事業化検証プロジェクトが、農林水産省が公募した補助事業「令和4年度 アフリカ等の企業コンソーシアムによるフードバリューチェーン構築実証事業(註1)」に採択されました。 当社は、当社全額出資のKiliMOL株式会社(代表取締役社長:大山幹雄、本社:東京都港区、以下「KiliMOL」、読み:キリモル)においてアフリカへの農機輸出事業を手掛けています。KiliMOLによるケニアでの日本の中古農機導入デモンストレーション等の活動経験やネットワークを活かして、当コンソーシアムにて2023年3月までに、ケニア最大の灌漑事業区ムエア地区およびビクトリア湖周辺のキスム地域にて、”村の精米所”(民間の小規模精米所)ビジネスの事業化検証を行います。 2021年9月にケニアで実施した日本の精米機導入デモンストレーションの様子 ケニアを始めとする東アフリカでは米の生産は年々盛んになっている一方で、技術発展の遅れから数多くの課題があります。精米分野においては、路上での天日干しによる石や塵の混入、水分量の偏りによる砕米の発生、海外から大型の精米機が導入されているものの、施設の老朽化による品質の低下や精米施設数が少なく偏在しているために、生産された米が他国へ流出しているケースや、小規模農家自らが自家消費分の米を充分に確保できていないなどの課題があります。 当コンソーシアムはこれら課題の解決のため、ムエア地域ならびにキスム地域に総数20箇所の小規模民間精米所を設置する実証実験を実施します。本年9月に現地へ日本メーカー製の精米機を20台輸送し、デモンストレーションおよび技術指導を実施し、その後数ヶ月に渡り現地農家等による“村の精米所”システムの試験運用により、事業化検証を行います。本事業化検証の実施にあたっては、当コンソーシアムおよびKiliMOLの他、現地パートナーとして、KAI GLOBAL Ltd.(代表取締役社長:福居恭平、本社:ケニア・ナイロビ、読み:カイ グローバル)の協力を得ています。 唐沢農機の日本国内での機材調達力や農業機械の修理整備に関する技術、当社グループの安定した輸送力と現地拠点の活用、およびKAI GLOBAL Ltd.の現地での米栽培・流通に関する知見と現地ネットワークを活かした連携により、現地の農業技術発展、農業機械化の実現に向けた取り組みをさらに強化します。 当社は地域戦略を営業戦略の要に据え、今後人口増加が見込まれるアフリカ市場においても、商船三井グループとして農機販売のみならず、そこから派生したロジスティクス・農業分野における新規事業への参入を通じて、現地のフードバリューチェーン構築や貧困問題の解決への貢献を目指します。 (註1) 農林水産省が公募した補助事業「アフリカ等の企業コンソーシアムによるフードバリューチェーン構築実証事業」は、これまで日本が培ってきた高度な農業生産・食品製造・流通システム・環境負荷軽減策等の様々な技術・ノウハウを活かした日本企業コンソーシアムによるフードバリューチェーンをアフリカ等の開発途上国において構築することで、現地の農林水産業・食産業の発展に貢献すると共に、日本の食産業の海外展開の促進と、それによる日本の農林水産物・食品の将来的な輸出対象地域に発展させるための環境整備を目的とした事業です。 【商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題】商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Human & Community -人の活躍と地域社会の発展-」にあたる取り組みです。 【株式会社唐沢農機サービスについて】 農業機械修理業を事業化し1992年に創業。農業機械の販売・修理・再生を主要事業とする一方、ウェブサイト制作、マーケティング、コンサルティングなどを行うインターネット事業を運営。また、全国300軒超の農業機械販売店が加盟し、累計取引額が18億円を超える農業機械のマーケットプレイス「ノウキナビ」を運営。農業×ITによる先駆的農業関連ビジネスを展開している。2021年2月には、八十二銀行、八十二キャピタル株式会社、群馬銀行、SMBCグループを始めとする複数の金融機関から、第三者割当増資、融資契約を含む1.9億円の資金調達を実施、企業成長速度をさらに加速している。 商号:株式会社唐沢農機サービス 代表取締役社長:唐澤 健之 本社住所:〒389-0502 長野県東御市鞍掛846-1 事業内容:農業機械のマーケットプレイス”ノウキナビ”事業、対面での農業機械販売・修理・レンタル事業、ウェブサイト制作/ウェブコンサルティング事業 株式会社唐沢農機サービスウェブサイト:https://www.karasawanouki.co.jp/ 農業機械のマーケットプレイス”ノウキナビ”:https://www.noukinavi.com/ 【KiliMOL株式会社について】 商船三井の社員提案制度から生まれた「越境ECサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業」の運営会社として2021年5月に設立。名前の由来はスワヒリ語で「農業」を意味する“kilimo”+商船三井の略称“MOL”。現在はケニアへの需要開拓に注力しており、商船三井の自動車船を活用の上 農機を輸送し、現地到着後は自社トラックで陸送する。商船三井グループのアフリカ・ケニア拠点での活動を強化することで、アフリカで農機輸出事業に留まらないビジネス領域の拡大を目指す。 商号:KiliMOL株式会社 代表取締役社長:大山 幹雄 本社住所:〒105-8688 東京都港区虎ノ門2-1-1 事業内容:越境Eコマースサイトを活用したアフリカへの農機輸出事業 ウェブサイト: https://kilimol.net/ 【KAI GLOBAL Ltd. について】 ケニアの首都ナイロビにて、日本食レストラン運営、スーパーでのパック寿司販売、日本米契約栽培ならびに卸売販売、鮮魚流通、日本食材の現地試食調査などのコンサルティング等の事業を展開している。キッコーマン株式会社との合弁企業事業(KEA TRADING Ltd.)を手がけるなど、日本企業の現地進出のサポート事業も展開している。 商号:KAI GLOBAL Ltd. 代表取締役社長:福居 恭平 本社住所:P.O.Box 52663-00100, Upper […]

ケニア最大の稲作地帯ムエア(Mwea)での活動②

KiliMOL代表の大山です。先週もMweaで活動してきました。朝晩は少し雨も降った日もあり気温は20度台前半と肌寒いくらいですが、昼間は30度以上に上がって直射日光の下では汗もかくような気候でした。尚、この辺りでは3月から本格的な雨季に入ります。 1.歩行式田植機のデモンストレーション 月曜日は、ICOSEED向けに歩行式田植機のデモンストレーションを実施。ちょうど在ケニア日本国大使館やJICAの方々が、Mwea Irrigation Schemeで建設中のThiba Dam(ティバダム)の見学でMweaにいらしており、ご案内役の日本工営の柚木さん、Mweaで契約農家から日本米を仕入れているKAI Globalの福居さんとともに、私たちのデモンストレーションにも寄ってくださいました。週末にICOSEED側で圃場を平坦にして田植えがしやすく状態になっているはずでしたが、そうなっておらずデモ前に急いで近くにいる牛を使って圃場を平らにする作業を行い、人力で残っていた藁などを掻き出しました。牛がムチで叩かれて作業をする様子を見て、改めてここはケニアだと実感、道路で運搬作業を行うロバと合わせて、まだまだここでは家畜が活躍しています。 結局、牛を使っても圃場はしっかり平坦にならず、また水も多すぎたため、ここの圃場は使わず別の圃場で実施することに。移動した場所も平坦ではなかったため田植え機での田植えは完璧にはうまくいきませんでしたが、歩行式田植機がどういうものかは見せることができました。遅くとも2,3年後には手植え作業から機械に代わっているでしょう。ちなみに日本では1970年頃から歩行式田植機が急激に普及し始め、その後に乗用式田植え機も普及していきました。 また、ICOSEEDがCounty Government of Kirinyaga(キリニャガ郡政府)の担当者にも声をかけて見に来てくれており、その人たちから上席を紹介してもらえて、木曜日にはオフィスを訪問、面談することができました。 2.トラクターが田んぼでハマった 先週に引き続き、火曜日は34馬力のトラクターで賃耕作業。しかし、ここで文字通り大きな落とし穴が・・・。私はその場に居合わせていなかったのですが、順調にロータリーを掛けていたトラクターが突如沈んでハマってしまったとのこと。駆けつけて見てみると後輪がすでに半分くらい埋まっています。 こうなると脱出は至難の業。トラクターの後輪の外側に大車輪をつけていればもしかしたら何とかなったのかもしれませんが、このあたりの圃場は深くないのでハマらないと考え、しかも一つ一つの区画が小さいので、切り返しのしやすさを優先して大車輪を外していたのでした。どうもがいても自力では出せそうにありません。そして、圃場が辺鄙なところにあるため、救出のために引っ張ってくれるような他のトラクターはすぐに見つかりません。 それでも何とか夕方にクボタの45馬力のトラクターに来てもらえて、チェーンで引っ張ってもらい、泥沼から引き出そうとあれこれ挑戦したのですが、引っぱり出せず・・・。だんだんと暗くなってきて、そのトラクターも帰らなくてはならなくなったため、日没サスペンド。明日は、水気を減らしてトラクター周辺の泥を掻き出せるように圃場の畔の水の排出口を開けて一旦その日は解散しました。 次の日、圃場に来てみると水は思ったほど抜けていません。ここでじっくり圃場を見てわかったのですが、なぜかこの区画では湧水が出ているところがあり、その周辺が柔らかくなっています。これにより水が残り、さらには土の柔らかい部分があることがわかりました。 今日中には脱出させなければと、欧米系の大型トラクター(75馬力)の作業者に何とかコンタクトできて仕事が終わり次第、連絡してほしい旨を伝えて、私たちはトラクター周りの泥や水抜きの作業をひたすら行いました。しかし、その大型トラクターの作業者とは途中から連絡がつかなくなってしまいました。大型トラクターの作業者にコンタクトしていたうちのケニア人スタッフも最初から「あいつらは本当に来てくれるか怪しい」と言っていたので、やはり一見さんお断り的なところがあるのでしょう。 水や泥の掻き出し作業を続けてようやく後輪タイヤの周りの土と水がなくなってきたところで、大車輪を装着して再度脱出を試みましたが失敗。 その後、以前唐沢農機サービスの唐澤社長から教わった「大車輪に棒を突っ込んで地面に刺す方法」の応用編で、アルミはしごを大車輪の下に潜り込ませられるように、大車輪に突っ込む棒をアルミはしごの間に刺す方法で行いました。同時に、周辺にいた大人たちに綱引きのように引っ張ってもらいました。その結果は…。臨場感あふれる以下の動画もぜひご覧ください。 これでようやく脱出成功!周りで見ていた子供たちも大喜びでした!脱出できて本当にホッとしました! とはいえ、これでほぼ丸二日を棒に振ってしまい、改めて賃耕作業のリスクを再認識することになりました。 3.FIELD DAYイベント参加 金曜日は、ICOSEEDとAATF(African Agricultural Technology Foundation)主催のLOWER MWEA FIELD DAYというイベントに参加しました。農業関係者や農家が参加しており、4つの新種のコメのお披露目会です。なんと最大で7トン/acre(≒17.5トン/ha)の収量になるとのこと。ケニアでの平均収量が5トン/haと言われていますので信じられない収量です。 ここではまずケニアでの農業イベントがどのように進められるかを知ることができました。 開始予定時間が午前9時でその後フィールド見学をして10時から説明などが始まる予定でしたが、実際に説明が始まったのは午後1時、なんと3時間遅れのスタートです!日本では信じられませんが、誰もこの遅れに関して気にしている様子はありません。ポレポレ(スワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」の意味)の文化が完全に定着しています(笑)。様々な関係団体や企業が順番に前に出て、それぞれが開催者への感謝→自社紹介→スピーチといった順番で話をしていきます。これが延々と続きます。自分は小学校の朝礼の校長先生一人の話でも長くてうんざりしていたタイプなので、この話す人数の多さ、そしてそれぞれの人の長い話にはただただ驚くばかりでした。今更感はありますが、ケニア人はおしゃべりが大好きです。最後の方14:45頃にKiliMOLにも説明の時間が与えられたので、そこでしっかり(話は短くして)アピールしてきました。その後も何人か話は続き、その後集合写真を撮って、最終的にランチが振舞われたのは15:40頃でした。 スピーチの中で印象に残ったのは、ケニアでのコメの消費量が急激に伸びており、国内での生産量も増えているが、消費量にはとても足りず消費量の89%をパキスタンやインドから輸入しているということ、食料の安全保障、及び外貨流出食い止めの観点からも自分たちで生産量を増やしてこの状況を何としても変えていこうという熱い想いでした。KiliMOLも農業の機械化で貢献していきます。 今週もいろいろとトラブルがあり、農業・農機事業の難しさを痛感しましたが、半年前にMweaに来た時よりも明らかにトラクターが増えていたり、Nairobiからの幹線道路の舗装工事が大幅に進んでいたり、Mwea地域内もこれまででこぼこだった道がきれいに舗装整備されていたりと地域の発展を実感しました。この国はまだまだ成長が続くと思います。 (出所:Google Map) 来週はケニア西部のケニア第3の都市・キスム(Kisumu)へ出張してきます。Kisumuに行くのは初めてなので楽しみです!

ケニア最大の稲作地帯ムエア(Mwea)での活動①

KiliMOL代表の大山です。 先週は丸一週間Mweaで活動しました。日本の小型中古農機のアフリカへの輸出を促進するため、事業パートナーの唐沢農機サービスとともにまずはケニア、その中でも首都ナイロビ(Nairobi)から100kmほどにあるケニア最大の稲作地帯Mweaにフォーカスして、営業・販売活動に取り組んでいます。今回はMweaの概要、及び先週のMweaでの活動について書かせていただきます。 1.MweaとはMweaはナイロビから北へ2時間ほどのところにある、ケニア最大の稲作地帯です。最高峰であるケニア山(標高5199m)の南麓に位置し、標高約1000mで、朝晩は20℃、昼間は30℃強の気温です。Mweaの灌漑スキームはMwea Irrigation Scheme(MIS)と呼ばれ、ケニア最大のタナ川(Tana River)の支流シバ川(Thiba River)の水資源を活用した灌漑設備が整備されており、広さは約9,000ha(東京ドーム約1,900個分)、ケニアの米生産量の約6割を生産しています。1980年代から日本政府が無償資金協力、技術協力を開始し、その後も有償資金協力を通じて、現地の稲作関係機関と共に多くの日本人も現地で活動し灌漑稲作の普及、発展に貢献してきました。コロナ禍前までは海外協力隊の方々も多くいらっしゃいました。アフリカでの日本の農業振興面での貢献の大きな成功例の1つとなっており、コロナ禍前はアフリカ各国からの視察も多かったようです。ケニアでは、西部のビクトリア湖周辺でも稲作の灌漑設備の整備が進んでいますが、Mweaをお手本にして「Mweaに続け」という思いでプロジェクトが進められているようです。池上彰さんも2013年頃にMweaをご訪問され、いつも通りわかりやすいご説明をしてくださっていますのでご興味のある方は以下もご参照ください。https://www.jica.go.jp/aboutoda/2013_African_business/vol3/step4_p1.html 2.これまでの活動昨年(2021年)、出張で現地入りしてMweaでデモンストレーションを2回実施しました。3月にはトラクターとコンバインハーベスター、9月には田植え機、小型精米機を実演しました。その様子については以下のYouTube動画をご覧ください。 ① 2021年3月のデモンストレーション ② 2021年9月のデモンストレーション 現在は、まったく機械化が進んでおらず人集めや作業コスト上昇など現地で課題を多く抱えている田植えの機械化が最も現地に貢献できると考え、重点的に営業活動を行っています。 3.本スキームとOUT GROWERSMISには本スキームのエリアとOUT GROWERSという本スキーム外のエリアの2つがあります。割合は8:2くらいのイメージです(詳細地図はこちらをご参照)。今回は、KiliMOLのケニア人スタッフが信頼関係を築いてきた、主にOUT GROWERSのエリアで活動するICOSEEDという地域コミュニティNGO(local community based NGO)を訪問し、今後の協業について話し合いました。 また、今回ICOSEEDからの紹介で賃耕を開始しました。現地では欧米メーカーの大型トラクターによるディスクプラウを使った作業がメインで、ロータリーを使った作業はあまり行われていません。まずは農家の方々に日本の小型の中古農機が十分に活躍できること、稲作の生産性向上に繋がることをしっかり見せていく必要があると考えています。ロータリーをかけている様子を見ていた農地オーナーの女性に感想を聞いた時に見せてくれた笑顔は最高でした。こうやって少しずつ日本の小型農機の有用性が広まっていくと信じています。 4.トラックがハマった。 日本は田舎でも多くの道が舗装されていますが、ケニアでは田舎は舗装されている道の方が珍しいです。今回、トラックで農機を輸送中に段差でハマり動かなくなりました。このトラックは積み下ろしをしやすいようにアウトリガー(アームを伸ばしたり物を吊ったりする際に、車体横に張り出して接地させることで車体を安定させる装置)がついていて、前の方をリフトアップできるようになっているのですが、その分後ろ部分に足が2本ついています。それが段差で引っかかってしまい後輪が浮いてしまって動かなくなってしまったのです。最後はアウトリガーを使って車体をさらに持ち上げて、積んでいた梯子を下に敷いてトラックをその上に降ろし車高を上げて脱出成功。車高の高い大きなトラックを使えばよいではないかというのもあるのですが、そうすると、農機のトラックへの積み下ろしが大変になります。大変なだけでなく積み下ろし時の危険性も増します。なので安全面重視でこのトラックを使っていきたいと思っています。とはいえ、ケニアでは作業場所へのアクセスも大きな問題です。これについてはしっかりとルールを定めて作業を請け負う前にスクリーニングをかける必要があると痛感しました。 久しぶりのフィールドワークで様々なトラブルはありましたが、多くの学びのある1週間となりました。この経験すべてを今後の活動に生かしていきます。 最後におまけの一枚。バナナの木が滑り台になっています。自然があれば人工の遊具なんていりませんね👍 来週もMweaで活動してきます。

東京バクテリアラボのTOKYO8、農場&プラント見学

KiliMOL代表の大山です。 2022年1月5日に自然循環な植物活性剤「TOKYO8」を使用した白菜農場とTOKYO8の製造プラントの見学に行ってきました。TOKYO8はオーガニック農業の生産性向上に寄与するとても大きな可能性を秘めていると感じましたのでご紹介させて頂きます。   TOKYO8 バクテリアの力で廃棄物汚泥の処理を行う株式会社太陽油化(以下「太陽油化」)が運営する「東京バクテリアラボ」にてバクテリアの働きによるさまざまな効果を検証している中で、農作物の成長に有効なバクテリア群を抽出・培養することに成功し、オーガニックなバクテリア製剤を開発しました。東京で開発し、無限(∞)の可能性を秘めていることから、「TOKYO8」と名付けられました。作物に直接作用して栄養を与えるのではなく、活性化したバクテリアが土壌に作用し、作物が根から栄養を吸収しやすくさせます。バクテリアから作られていますが、無臭、無害で使いやすいのが特徴です。既に日本国内では大根、キャベツ、人参、ねぎ、玉ねぎ、じゃがいも、とうがらし、ミニトマトで効果を確認しています。現在有機JAS登録に向け申請中とのことです。詳細は以下YouTubeをご参照ください。 https://www.youtube.com/watch?v=AFTwjSFc_OU   農場見学 株式会社アセンティアホールディングス(以下「アセンティア」)の松本さんと太陽油化の太陽油化/東京バクテリアラボの石田陽平さん、鈴木晴子さん、エノラ・ラボーヌさんとともに、太陽油化が管理している埼玉県ふじみ野の白菜農場を訪問しました。ふじみ野からは、その名の通りはっきりと富士山を見ることができます(以下写真参照)。バクテリアの入った液体は1反(10アール(1アールは10m x 10m))に対して1リットル蒔くように噴霧します。(以下写真のボトルの容量は2リットル)。農場では石田陽平さんの弟の俊平さんがすでにTOKYO8の噴霧作業をしており、アフリカでの使用を想定し、いつも使っているエンジン式ではなくバッテリー充電式の噴霧器にて作業をしてくれていました。これならばアフリカでもできそうです。     プラント見学 農場見学の後、太陽油化の本社兼工場へ移動して、TOKYO8の製造される工程を見学しました。バクテリアを培養して前処理しスクリーニングした液体(原液)を、プラスチックのタンク内でブロワーにて24時間撹拌し、種菌を完成させます(4タンクで1ユニット)。完成した上積みがTOKYO8です。現地で写真のような簡単なプラント装置を準備し、原液1年分を東京から送って、あとは牛糞などを混ぜることができれば製造できるとのことで、それほど難しい設備ではなさそうです。 海外展開 インドネシアでのTOKYO8を使った実証実験では、お米やネギ、じゃがいもの収量が大幅に増加し、驚くほど大きな成果が出ています。TOKYO8を世界各地に広げていくには、現地でTOKYO8を生産できるようにする仕組みが必要ですが、上記の通りすでにそれを確立しつつあり、ちょうどインドネシアで1ユニットのプラントを完成させたところとのことです。アセンティアホールディングスと東京バクテリアラボではこれをマイクロフランチャイズモデルとして世界各地で小規模農家の農業生産性を向上、所得を増加させ、飢餓や貧困などの社会課題の解決に繋げようとしています。すでにアフリカではレソト、ガンビア、リベリア、タンザニアでも検証を開始しつつあります。今度はKiliMOLがこれをケニアに持ち込んで、試してみることにします。バクテリアは温度の影響を受けますが、気温が高い方が、バクテリアの働きが良いので日本よりもアフリカの方が良い効果が出る可能性もあります。どんな結果が出るか今からとても楽しみです。現地での効果検証後にまた結果を報告します。ご期待ください!

農機修理・整備実習

KiliMOL代表の大山です。 明けましておめでとうございます!本年もどうぞ宜しくお願い致します。 さて、新年最初の投稿は、昨年2021年12月20日(月)~24日(金)に、KiliMOLの事業パートナーである唐沢農機サービス(https://www.karasawanouki.co.jp/、以下「唐沢農機」)にお邪魔し、農機修理・整備の実習を受けさせて頂きましたので、そのときのことについて書きます。 唐沢農機 唐沢農機は長野県東御市にある農業×ITによる先駆的農業関連ビジネスを展開している農機具屋さん。農機具の販売・修理・再生を主要事業とする一方、ウェブサイト制作、マーケティング、コンサルティングなどを行うインターネット事業を運営しています。また、全国300軒超の農機具販売店が加盟し、累計取引額が12億円を超える農機具流通支援サービス「ノウキナビ」を運営しており、KiliMOLでアフリカに輸出している中古農機はその「ノウキナビ」から仕入れています。 実習の背景 今回、農機修理・整備実習を受けさせ頂くことになったのは、自分で農機修理をある程度できるようになりたいと思ったからです。これまでケニアで2回(2021年3月と9月)実施した現地デモンストレーションの際は、唐沢農機の唐澤社長にケニアに来て頂いていたので、農機のトラブルがあっても唐澤社長が対処してくれました。しかし、次回2022年2月にケニア西部で行う予定のデモンストレーションでは、唐澤社長に同行して頂かない予定のため、農機のトラブルがあったらKiliMOLのメンバーで何とか対処しなくてはなりません。海運会社の事務職として17年間働いてきた私は農機修理の経験がゼロであり、このままではとても現地で修理できそうにありません。そのため、現地入りする前に最低限の農機トラブルには対処できるようになっておく必要があり、今回唐沢農機にお願いして実習を受けさせて頂きました。 歩行式田植機の修理・整備 農機といってもその種類は非常に多く、それをすべてカバーするのは不可能なので、先日ケニアに向けて13台輸出した歩行式田植機に集中して修理・整備について学びました。今回、いくつもの歩行式田植機を見て分かったのは、数社の農機メーカーが歩行式田植機を販売しているものの、かなり似た構造、中にはメーカーが違っても全く同じ構造のものもあるということ。唐沢農機に聞いたところ、あるメーカーが他メーカーにOEM供給しているとのこと。自動車メーカー同様、農機メーカー間でも連携しているということを知りました。まずは唐沢農機のプロの整備士の方の修理・整備を見て学び、それと同じことを自分でやってみるということを繰り返しました。実際、自らの手で歩行式田植機3台の機械の修理・整備を行いました。具体的には、キャブレターの清掃、点火プラグの交換、エンジンオイルの交換、植え付け部のグリス交換などです。 プロとの違い 修理・整備は台数をこなすごとに少しずつ慣れてきたものの、唐沢農機の整備士の方々と比べるとまだ3倍以上の時間がかかってしまいます。何がこの時間の差を生み出すのか?考えてみると、工具の選び方、使い方の差が最も大きいことに気が付きました。様々な工具がある中、最適な工具を選択し、それを使って効率良くねじを開け閉めしたり、きれいに掃除したり。これらを行うには、様々な工具の特徴を知った上で、それらの工具を試して、多くの作業経験を積んでいく必要があるでしょう。唐沢農機の整備士の方々の動きを見て、これは1週間やそこらで身につけられるものではないと強く感じました。何事も毎日の積み重ねがものを言いますね。   今回、歩行式田植機の他に、バインダーやハーベスタについても教えて頂きました。唐沢農機の皆様、お忙しい中色々と教えて頂きどうも有難うございました。お陰様で大変有意義な実習となりました。今回学んだことは必ず現地で生かしていきます。

経済産業省 国際化促進インターンシップ事業への参加終了 ~タイ王国よりインターン生受け入れ~

KiliMOL株式会社(代表取締役社長:大山幹雄、本社:東京都港区、以下「KiliMOL」)は、経済産業省主催の「2021年度国際化促進インターンシップ事業」に参加し、タイ人1名のインターン生を2か月間に渡り受け入れ、2021年12月22日に活動を終了しました。 コロナ禍の影響もありリモートでの活動となりましたが、アフリカへの農業機械輸出を見越した上で、タイ王国における農業や農業機械マーケット概要、ECサイトの普及率等の調査を行いました。 KiliMOLは今後もアフリカにおける農業機械化促進のため、日本のみならず世界各国における農業機械マーケットを調査し、最適な商品を提案できるように活動を続けて参ります。 レポート閲覧はこちらから(英語版のみ)​

MOL, KiliMOL, Double Feather Partners Sign MoU – Aiming to Enter Food Value Chains in Africa –

December 10 2021 TOKYO-Mitsui O.S.K. Lines, Ltd. (MOL; President & CEO: Takeshi Hashimoto; Headquarters: Minato-ku, Tokyo) signed a memorandum of understanding (MoU) with KiliMOL (Representative: Mikio Oyama; Headquarters: Minato-ku, Tokyo (Note 1)) and Double Feather Partners Co., Ltd. (DFP; CEO: Kohei Muto; Headquarters: Shibuya-ku, Tokyo) aimed at creating new businesses in logistics and agricultural fields […]